木口まな板の製作

木口まな板(完成したところ)

7月から製作にかかり、8月7日についに完成。
途中、本業の仕事が入ったため、一時中断。
実働3週間、延べ時間で75時間くらい。
・サイコロ切断           30時間
・サイコロを並べて板にする  15時間
・周辺枠作り(漆塗りも含め)   20時間
・組み立て、調整         10時間


ブロックの製作

30x30x900、30x45x900の桧の角材を鋸でブロック状に切断してみたが、試験的に並べてみたところ、材の断面が正四角形でなく菱形であることが分かった。
菱形のブロックを行儀よく並べるには、形のちかいものどうしを同じ向きに並べる必要がある。
ブロックに切り出し順に番号をつけ、変形の方向を示す矢印をつけた。
ブロックの種類は5種類。



中ブロックの製作

小ブロックを組み合わせて中ブロックを作成する。
大きさは15cmx30cm、12cmx30cmの2種類で合計7個。
接着剤は硬化後に収縮しない2液混合のエポキシ樹脂を用いた。ブロック間の隙間を埋めるには丁度よいが、上面に染み出てきた。

中ブロックの上面の状態

中ブロック4個をまとめて右半分(B部)がほぼ完成

表面には目地の空隙を埋めるためエポキシ樹脂を鏝で塗りこんだ。
木目が鮮明に現れた。包丁を当てて試してみたが、刃先が滑ることなく受け止めてくれる。



上面のクローズアップ

木目が寄木細工のような効果を出している。

同裏面

裏面に金物を取り付ける

まな板に側板を取り付けるボルトとつめ付きナット。
まな板と側板はボルトのみで十分固定されるので、やとい実矧ぎは採用しなかった。
つめ付きナットはまな板上面のレベルを決めるのに重要な役割をはたすので、ナットの尻が水平になるよう細心の注意を払った。

裏面全体

金物(オニメナットとつめ付きナット)

金物(つめ付きナットとボルト、ワッシャの組み合わせ)

この金物がまな板面を平らに保つ新兵器である。
スプリングワッシャを2枚挟み込むことにより、ボルトの頭とナットの間を2.5mmの巾まで調節できる。

裏板を上記のボルトで取り付ける

このボルトの締め具合により、まな板と裏板の間隔を調整できる。

まな板と裏板の間のワッシャ

この状態でボルトを緩めるとスプリングワッシャが、まな板と裏板を2.5mmまで押し広げる。裏板はまな板とボルトで接合されているだけで、側板には拘束されていない。

組み立て完了した木口まな板の細部

側板の摺り漆仕上げは色むらがあり、師匠のKさんからはNGが出た。
摺り漆は薄く何回も塗るのがこつと教わった。漆塗りの処女作としては、自分の予想をこえたところもありまあまあと言ったところか。不注意にも両手が漆にかぶれ、痒いのを我慢してキーボードをたたいている。

麺帯ストッパーとほぞ穴

そばMLのdeerhunterさんのアイデアである、たたんだ麺帯の左右を逆にして左側に、麺帯と同じ厚みのストッパーをつけるという案を頂いた。
ストッパーの板を裏返してほぞ穴に入れれば固定される。

完成図



図面集(1)

平面図、断面図
製作中に変更し、やとい実矧ぎ、ほぞによるまな板と側板の拘束は中止した。

図面集(2)

詳細図
側板をまな板に直角に取り付けるため、まな板側面の平面精度と角度(直角)が要求される。
まな板と裏板の間のスプリングワッシャの数はまな板の表面の平面精度がよかったことから、図面の3枚を2枚に減らした。

木口まな板製作後7ヶ月

木口まな板は製作後、しばらくしてから暴れだす(狂いが生じる)例が多いといわれてます。私の木口まな板も作ってから半年以上経過しました。
修正した経過と現状をお知らせします。

・3ヶ月の時点で中央部が0.3mmほど窪んできた。窪んだ箇所のビスを緩めスプリングワッシャの戻りで、凹んだ箇所を平らにした。
・6ヶ月の時点で、中央に0.5mmほどの凹みが見られたので、(前回と同じ箇所)ナットを緩める。2,3日放置したら平らになった。
全面にサンディングをおこなった。出っ張っている箇所が写真では白っぽくなっている。サンディングを繰り返すことによりエポキシ塗料が削られて白い木肌が現れてくる。(半年先か1年先か、のんびりした話しです。)
・木口部分と周辺木枠との狂いはほとんど見られなかった。