美味しいそばいろいろ


自分で打ったそばのレポート

No1001
秋田の石碾屋さんの粉を思いもかけず入手出来て、打ったときの興奮が覚めやらぬうちに
出したメールです。 (2004.1.19)

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石碾屋さん
今日の午前中にまとまった時間ができたので、先日送って頂いた粗碾き粉に挑戦しました。
そばの持つ生命の力強さを見事に表現したそばが出来上がりました。

高橋邦弘さんの江戸風そばの対極にある田舎風そばの傑作です。
私が打ってもこれだけの食感がでる粉ですから石碾屋さんで食べるそばはさぞかし素晴らしい
ものでしょう。

文字で表現するならば、弾力性に富んだモチモチ感と歯切れのよさ、喉越しの少しザラついた感触、
遊蕎子のいう「喉をかっぱじく」とはこのことでしょう。

そば湯がまた、別格のものでした。まさにそばの生一本です。
(焼酎をわるのには最高のものですので、捨てずに冷凍保存しました。)

技術的な考察はまったく不要に思えますが、感動したものに出会うと何故かと考える悪い習性がある
のでお許しを。

@ 原材料の良さと粒度分布のバランスの良さ。
A 粗い粒子がそばの食感の良さを演出し、細かい粒子がバイプレーヤーになって、麺線に到るまで
  の加工を容易にしている。と同時にザラつき感を程よいものにしている。
B生粉打ちの加工性はけして良いとはいえないが、加圧することにより粘りがほどよく出てくる
  不思議な特性を持っている。

噂には聞いておりましたが、いろいろ勉強になりました。
有難うございました。

石碾屋さんの荒挽き粉の拡大写真  大きな粒から小さな粒まで混じっている

茹で上がったそば

No.1002
軽井沢のYさんと福島県平田村のSさんから、粉を頂いた。
Yさんの粉は自家栽培しのロール挽きの粉で、酸化防止剤の入ったビニール袋に密閉された状態で
商品として販売しているもので、2,3番粉を押さえ目にした白い粉である。

一方、Sさんの粉は自家栽培のロール挽きであるが、2,3番粉が多めのしっとりとした手触りの粉である。
粉の性質を見るため、ゆるいそば掻きにして電子レンジで更に加熱し、粉っぽさが無くなった状態で
比較してみた。

外見通り、Yさんの粉は標準的なプリプリした食感に対し、Sさんのは更にモチモチとした食感で、香りも
一段と強かった。

繋ぎ(中力粉)の割合を変えて打ってみたが、Yさんの粉は二八そばの後繋ぎ(加水率45%)が食感が
最もよく、Sさんの粉は、田舎そば風を生かした、九一そば(後繋ぎ、加水率40%)がよかった。
Sさんの粉は二八そばをかけそばにすれば、香りが生きたそばになること間違いない。

最後に両方の粉を半々づつミックスして繋ぎを2割加えて、打ってみたのが下の写真である。
とても、美味しいそばになった。




No.1003  (’050217)
TOKYO蕎麦塾の仲間と茨城県常陸大宮市に土地を借り、蕎麦栽培を行った。 蕎麦栽培
そのとき採れた蕎麦を、玄、抜き、粉(石臼挽き)にしてもらい、その粉でそばうを打ってみた。

粉は有名な柿沼製粉でひいてもらったものだが、様々な大きさの粒(これが皆丸みを持っている)
に微細分が取り付いている、典型的な石臼挽きの粉である。
玄が多少混じっているせいか、粉の色は少し黒ずんでいる。
微細分が多いにもかかわらず、握った感触はふわっとして柔らかく、しっとりとしている。

打ち手はTOKYO蕎麦塾のUさん。 人柄を反映して、きちっとした丁寧な蕎麦を打つ。
硬めにという注文で打ってもらったので、加水率は47%に収まったが、普通に打てばもっと
水は入ったであろう。

茹で時間は、二八と同じ50秒。
茶色がかった、腰のしっかりした蕎麦に
茹で上がった。
歯ざわりはもちもち感があり、最後は歯
と歯の間でぷちんと切れる理想的な
食感である。
石碾屋さんの粉で打った蕎麦を少し硬め
にした感じである。

玄が引き込まれているせいか、懐かし
い蕎麦の味わいがする。
味覚とは別の、人を引き付ける何かが
あるのだろうか。
もしかして、日本人には古き時代から
慣れ親しんだ挽きぐるみの蕎麦の味が
DNAの何処かに記憶されているに違い
ない。