二八そばを打つ (300〜500gを身近な道具でしかも美味しく打つ)
細かい粉が廻りの粉と一緒になって小さな
塊に成長していけば加水は順調だと思って
よい。
細かい粉が無くなって、小豆大の塊になること
が水廻しの大切な目安の一つとなる。
しばらくかき混ぜても小豆大のままで塊が
成長しない場合はすかさずボールの底に水を
少量垂らし、底全体に水の幕が出来るように指先で
広げ、その上で粒を転がすようにすると、もっと
大きな粒へと成長していく。
500g以下の少量の粉でそばを打つことは難しい。しかも、食べて美味しいそばを打つとなると、さらに
難しくなる。 初心者が少量の粉で美味しいそばを打つためのキーポイントを探りながら、
500g(300g)の粉で二八そばに挑戦する。
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水回し完了のサインは、玉がお互いに
くっつきあって動かなくなることである。
何%の水を加えたかはたいして問題ではない。
最後の水の一たらしでこの状態になったら
水廻しは完了。
水を底に垂らして加水することにより、底の細かい粒子が水をもらい成長して
小豆大の小さな塊になる。
準備する道具類
1.捏ね鉢として使うボール (直径35cmくらいのもの)
2.ボール中(計量用に使う)
3.ボール小2個(計量用と打ち粉入れ用)
4.篩(目は粗くても良い)
5.麺棒(長さ60〜80cm)
6.計量カップ(粉を取り出すのに用いる)
7.計量カップ(500ml用)
8.計量カップ小(調整用の振り水を入れる)
9.秤(1kg程度)
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準備する粉
1.そば粉 400g(240g)
2番粉を主体とした粒度分布のバランス
の良い粉。
石臼挽きの挽きぐるみ(全層粉)の場合
の場合は微細粉が適度に混じっている
こと。
2.繋ぎ(小麦粉) 100g(60g)
準高力粉
3.打ち粉 150g
美味しいそばを打つには、そば粉を選ぶ必要が
あるが、それと同じくらい繋ぎの小麦粉が大切
である。
製粉所に粉を買いにいく場合、そば粉と繋ぎの
小麦粉をセットで買うことをお勧めする。
ネットで求める場合、そば粉と繋ぎが一緒に袋詰
されているものがある。
信州二八そば粉(高山製粉)、
茨城産そば粉セット(古川製粉所)
加水用の水
ミネラルウオーター(軟水)、水道水でも良い。
水温は低い方が良い。(夏場は氷を入れるとよい。)
標準加水量が分かっている場合は、その加水量
の約95%の水を大きい計量カップに計っておく。
47%が標準加水量の粉の場合、45%の水(225ml)
を大きいカプに計っておき、それとは別に調整用の
水(振り水)として、10〜15ml程を別の容器に用意
する。標準加水量が分からない場合は粉(そば粉+
繋ぎ)の40%の量の水を用意する。
加水用の水を2つの容器に分けて用意するのは
それなりの理由がある。
初心者にとって、250ml計量した水の90%に当た
る225mlの水を鉢の中に注ぐことは大変難しい。
入れすぎないように用心して50mlも残してしまう。
95%の水を一気に注ぎ込むことは、不可能に近い。
95%分取り分けておいた水なら、迷うことなく一気
に加水することが出来る。
二八そばの場合、必要な水を一気に加水する
ことが、美味しいそばの必要条件である。
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1.準備
2.木鉢
そば粉と繋ぎの小麦粉を一つの
ボールにあけて、手で攪拌する。
そば粉と繋ぎの小麦粉を混ぜた
ものを篩にかける。
こうして篩にかけたれば、そば粉
と小麦粉は良く混ざり合う。
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00分:00秒
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粉の表面を平らにならす。
円を描くように大きい方のカップの
水を粉の表面に注ぐ。
水の表面に乾いた粉をかけながら
水を含んだ塊を、粉の中で移動
させる。
このとき、水を含んだ塊に直接
指を突っ込まないように。
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調整加水の方法と加水の見極め方
手を動かし続けても右の写真のように、
細かい粉が底に残っているようであれば、
水が足りないので更に加水を行う。
加水の仕方は、細かい粉が残っている
底の部分に、少しずつ水を垂らし指先で水の
幕を底一面に広げる方法で行う。
このとき、加水量にあまりとらわれないこと。
何%の水を加えたから加水は適量だと思わ
ないほうがよい。
細かい粉が無くなり、小さな塊から大きな塊
へと成長していく過程がより大切である。
括りに入る。
今までの作業により、小さな玉の状態で捏
ねられているので、棒練は簡単でよい。
塊をボールから取り出し、延し板の
うえで、菊練を行う。
皺が一箇所に集まり、菊練は完了。
ラッキョウ形にすぼめて皺を無くし
延し板の上で転がし、円錐形に形を
整える。
へそだしが完了。
手のひらで上から押しつぶす。
木鉢作業は完了である。
濡れ布巾で、ボールに付いた
そば粉を落とす。
乾くと清掃が大変である。
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3.延し
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玉は乾燥しないようにビニール
で包んでおく。
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地延し
延し板の上に少量の打ち粉を
振り、玉を手のひらで押し広げて
いく。
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直径が20〜25cmになったら
次の作業に移る。
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麺棒を使って更に大きな円形に
広げる。
500gの粉であれば、延しは片手で
十分である。
手の平で麺棒を押し付けながら転がし
麺多の表面に伸した跡が付く程度に
力を入れる。
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45〜50cmの円形に広がったら
四つ出しに移る。
麺帯の中心に縦に打ち粉を敷く。
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麺棒に巻きつけて巻き延しを
行う。
手首を柔らかくし、麺帯を包み込む
ようにして前方下方に押してやる。
巻きつけて棒を180度振り替えて
反対側から巻き延しを行う。
90度回転し、左右対称に伸びた
麺帯の短い方向の巻き延しを
行う。
角の出が足りない所は部分的に
巻き延しを行い修正して四つ出し
が完了。
この状態では厚みにむらがある。
麺棒を斜めにして厚いところを
ならしていく。
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麺棒を手前に転がしながら、右手前
角を均す。
他の対角上も同様に麺棒を使って
均す。
厚みが一様になったところで、
辺に沿って巻き延しを行う。
両端から内側にてを移動しながら
手首を柔らかく使って麺帯に力を
加える。
巻き延しを使うと初心者でも
効率よく延すことが出来る。
麺帯を90度振り替えて短いほうの
巻き延しを行う。
麺棒が麺帯より短くなるが、気にせ
ず延してよい。
後で修正が可能である。
角の部分を延して行く。
無理に角を出そうとすると薄くなって
しまうので程ほどに。
麺帯の大きさ
粉300g : 50cmx60cm
粉500g : 60cmx80cm
延し終えたところで麺棒に巻き
取る。
4. たたみ
麺帯を左から解き
左半分に打ち粉を振り
右端を折り返す。
下半分に打ち粉を振り
上半分を折り返す。
上半分に打ち粉を振り
下半分を折り返す。
切り板に打ち粉を十分に振り
8枚にたたんだ麺帯を移動する。
たたんだ麺帯の上にも打ち粉を
振りかけ切りに入る。
5.切り
庖丁は30cm以上のものが使い易い。
写真は27cmのものであるが、駒板を送るための庖丁の倒しがうまくいかない。
切るときに1食、(粉の量で100gが標準となる。
生麺にして、およそ150gである。
あるいは、1回に茹でる量に小分け出来るように切り分けるとよい。
500gの粉であれば、5〜6食分の量である。
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手前の端を左手でつかみ、上下に
打ち振って打ち粉を払う。
他端を右手に持ち替えて、Uの字に繋がっている部分を延し板に打ちつけて、粉を落としながらバラけさせる。
このとき、線麺に打ち粉を十分にまぶしてやる。
こうすれば生麺がくっつきあうこともないし密封した状態でも、打粉が湿度の調整の役をしてくれる。
1食づつサランラップに包んで、
フードパックに入れ、
ビニールの袋に入れて密閉する。
この状態で、冷蔵庫では、打った日を入れて3日間は味の変化が無く、冷凍庫に保管すればかなりの期間(2週間もすればいつもなくなってしまうが)保存可能である。
篩にかけ打粉と端切れとを分ける。
打粉は冷凍室に保管し、たたみや切りのときの振り粉として用いる。
端切れは水て溶いてそば掻きにしてもよい。
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約1時間かけて打ち終えたが、そば打ちの結果は次の通りである。
原料 製品と残り
そば粉 400g 生麺 730g
繋ぎ 100g 端切れ 56g
水 235g 打粉(余り) 30g
打粉 150g (回収)50g
--------------------------------------------
合計 885g 866g
約20gが蒸発あるいは飛散したことになる。
(印刷用)
水を含んだ塊が細分化されフレーク状になる一方、
水にありつけない粉は細かい粉のまま底に残る。






細かい粉

加水量の目安 (カップ(大)は全部加水、カップ(小)は様子を見ながら加水)
粉の量 300g 500g
| 加水率 | 43% | 45% | 47% | 43% | 45% | 47% | |
| カップ(大) | 125g | 130g | 135g | 205g | 215g | 225g | |
| カップ(小) | 10g | 10g | 10g | 15g | 15g | 15g | |
| 合計 | 135g | 140g | 145g | 220g | 230g | 240g | |
| 45% | 47% | 48% | 44% | 46% | 48% |
季節による加水量の変化
夏場の気温の高い時期は冬の寒い時に比べ加水量が少なくなると言われている。
粉の温度が上がり、水温が上がると小麦粉のグルテンの生成が早くおこなわれ、粘性が
大きくなり玉にまとまるのが早まるためと推測される。
加水の水に氷を入れ温度を下げておくと、グルテンの生成速度が抑えられ、気温による
加水量の変化が押さえられ、加水量のばらつきは減少するはずである。