麺棒製作教室 (延し棒)

1.材料、工具等準備するもの

    1)檜角材  28mmX28mmx90cm 以上      
    2)作業台 参照
    3)鉋(平鉋) 参照
    4)鋸 
    5)サンドペーパー、ポリネット  
      #60(1枚)、#150(1枚)、#400(1枚)、
      #600(1枚)、マイクロポリネット#1000(1枚)  
    6)紙筒(内径35mm程度、L=20cm)                
    7)アルミパイプ2本(内径27.5mm、29mm ,L=12.5cm)  パイプの加工
    8)木賊ヤスリ  木賊ヤスリの作り方                  
    9)豆乳 又は濃縮した米の研ぎ汁   
    10)ノギス(10cm程度、1000円以下)、ハサミ
     11)ボロ切れ(タオル等、麺棒を傷つけないために用いる。)
    12)マスク(サンディングで木の粉が飛びます)、軍手

2.麺棒製作工程のあらまし


3.各段階の写真説明



角材の2面を鉋で削り、直角を出す。正方形に製材したかくざいでも、乾燥するに従い年輪方向に多く縮み、
菱形になっているものがある。

二つの面からそれぞれ28mmの位置に線を引く。 その線まで鉋で削っていく。




上の写真は、3面を削り終わり、残りの1面の削りに入るところ。




正方形に削り終えた断面。




最後の仕上げの段階の鉋屑。




八角形の断面と稜線を書き込む。




右手の作業台を取り付けたところ。




左手の作業台を取り付けたところ。  クランプを用いる代わりに、蛍光スタンドの取り付け金物を用いた。




角材を載せたところ。




八角形の2面を削ったところ。




鉋は軽く持ち、鉋の重みを利用して削る感じである。 押し付けると、木が撓んでうまく削れない。




八角形の出来上がり。 対する辺の間隔が一定(28mm)になるよう、ノギスで測りながら修正する。




端部(切り落とす部分)に帯状にマーキングをする。




八角形を16角形にする。 マーキングの削られたところと、残っているところが同じ長さになるように。




16角形に帯状のマーキングをし、残り具合を見ながら32角形にする。




#60のサンドペーパーで32角形の角を落としていく。 だんだん正円に近づけていく。
削り過ぎないようにするには、#120のサンドペーパーにかえる。 慣れれば#60でやったほうが効率が
良い。




アルミパイプと#400のサンドペーパーの組み合わせで、仕上た状態。 この段階で同じ太さの正円の棒に
できるだけ近づける。




水で表面を濡らし、水が引いたところで米の研ぎ汁または、豆乳を表面に塗りつける。





木賊を内張りしたボール紙の芯で表面を擦っていく。
木の表面は削られて細かい粉が出てくる。




ポリネット#1000で磨く。 




木目が現れた、光沢のある木肌となる。




試作した麺棒の数々。 右端の1本を除いて、80cmと90cmの長さに揃えてある。
年輪の密度、木の比重の違いにより、色々の感触の麺棒になる。
白太(しらた)部分で作った麺棒は、赤味部分で作ったものよりすべりが悪い。修正が済んだところで、
胡桃油等で皮膜を作ったほうが滑り易くなり使い易い。
赤味部分の麺棒は、米の研ぎ汁、豆乳の仕上げのみで十分に滑り易い麺棒になる。

微調整
手で触ってみても分からない程度の円の狂いでも、手拭などの布を巻いて手で握って棒を廻してみると
はっきりと分かるものである。
これは、布を介して木肌に触れることにより、摩擦による表面に沿って働く力が無くなり、面の直角方向の
情報のみ読み取れるためと思われる。
0.1から0.2mmの誤差であるが、この狂いを木賊ヤスリで修正していくと、真円に近い麺棒が出来上がる。

丸い棒には、柾目(木目が平行に現れる)と板目(木目が模様になって現れる)が対となって現れる。
サンデングしたとき、板目部分より柾目部分のほうが減り易い。板目模様の出ている側を多めに擦って
やればこの材質の違いによる誤差はクリアーできる。




長さ80cm,太さ27mmの檜の延し棒の製作にチャレンジします。
経験のない人でも、1日ですぐに使用できる延し棒ができるように手順を考えました。
初心者が勘に頼った方法で製作を行うと、なかなか期待どうりのものが作れません。
工具、冶具の力を借りて行ったほうがより簡単に、精度の高いものが作れます。